小さいお子さんから大人まで
みなさん一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
「イボ、水いぼ」
誰もが聞いたことのある名前だと思いますが、
実際にこれらの違いを正確に言えますか?
とりあえず何か盛り上がったできものがができたら
イボだと勝手に思い込んでいませんか?
患者さんでも実際はイボではないのに
「イボができたので取ってください」
って言う人はよく居ます。
皮膚科医からしたら全く別物なのです。
「イボ」は、原因は分からないが皮膚から盛り上がっている
小さなできもの一般を指す俗語なのです(;^ω^)
まずは違いを知りましょう★
そもそもイボとは何者?
一般的に「イボ」とは「ウイルスが感染してできるイボ」のことです。
専門用語で「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」
と言います。
あまり聞きなれない用語だと思います。
ウイルス性疣贅にも見た目の違う多くの種類があって、
原因となるイボのウイルスに少しずつ違いがあるのです!
その中でも患者さんの中で最も多く来院されるのは
子供の手足などにできるイボです。
この子供にできるイボは尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)とよばれるものです。
難しい名称ですね(^-^;
イボ(ウイルス性疣贅)ができてしまうワケ
その名の通りウイルス感染からなります。
「ヒト乳頭腫ウイルス」と言う名称のウイルスです!
=ヒトパピローマウイルスまたはHPVと略して書いたりもします。
HPVにはイボの原因になるもの以外にも多くの種類があって、
性感染症である尖圭コンジローマの原因や子宮癌の原因ウイルスもあります。
とにかくHPVウイルスは100種類以上のたくさんの種類があり、
さまざまな症状を引き起こす悪いものなのです。
ですが、このウイルスどこから感染してしまうの?
って感じですよね。
結核のように空気感染してしまっては
世界中がイボ患者だらけになってしまい大変なことになってしまいます(>_皮膚に小さな傷などがあるとそこから皮膚に入り込んで、
細胞が感染してイボを作ります。
感染を受けた細胞は細胞分裂が活発になり、
周囲の正常細胞を押しのけて増え続けてしまいます。
増え続けると言っても、なぜだかは不明ですが
ある程度の大きさまでにしか成長しないのです。
ってことなので、イボのウイルスは正常の健康な皮膚には感染できないので
イボ患者さんは自分でも見えないほどの小さな傷があったということですね。。
外傷を受けやすい手足や外陰部に多くできるのが納得ですね。
またはアトピー性皮膚炎の子供たちは
体を引っ掻いてしまうので傷が出来やすくなるのでよくイボが出来てしまうのです。
イボの治療は??
出来てしまったものは自然治癒はほぼしないのでどうにかして治療するしかありませんね( ;∀;)
イボには残念ながら未だに特効薬や特効的治療法は無いと言うのが現状です。
イボの種類やどこに出来たのかなどが人それぞれなので、
以下の治療法から選択して治していきます。
②電気焼灼法
③グルタルアルデヒド(実費)外用療法
④ヨクイニン(漢方)内服療法
これが一番効果がある!というのはないので、
患者さんに合ったものを探していく感じになります。
残念ながらどの治療法も一度で治るわけではありません…。
焦らないで長い目でみて治療していきましょう(>_
水いぼとイボは違うの?
同じイボでも水いぼとイボ(ウイルス性疣贅)は別物です!!
水いぼは、専門用語では伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と言います。
両者ともに子供に多い病気で、
どちらもウイルス感染でできるという点は似ています。
しかし、原因となるウイルスに違いがあります。
イボ⇒ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染水いぼ⇒伝染性軟属腫ウイルスの感染
この2つのウイルスは全くの別物なのです!!
表面がツルツルして、光沢のある直径数mm~5mmくらいで、
てっぺんが少し凹んでいます。
小さいのも多いのでとても分かりにくいのですが…。
水いぼは足の裏なのにはできず、身体にできることが多いです。
水いぼのウイルスは毛に感染するので、
毛の無い足の裏などにはできないということです。
表面がガサガサしていて硬いです。
イボが手のひらや足の裏を含む手足にできることが多いです。
表面をカミソリで薄く削ると点状に出血するのが特徴です。
水いぼの治療
最も一般的な治療としては「水いぼとり」と言って
その名の通りピンセットなどで水いぼを抓んで取ります。
すると中から小さな白い塊が出てきます。
この白い塊が「軟属腫小体」と言って、ウイルスでできたものです。
また、イボ(ウイルス性疣贅)と同じように
液体窒素(-196度)での冷凍凝固療法を行うこともあります。
どちらも効果的な治療法なのですが、痛いのがデメリットです。
私はペンレステープという麻酔のテープを水いぼに貼って、
その後に水いぼとりを行います。
ですが、個人差はありますが…
小さいお子さんだとかなり泣かれることもしばしばあります( ;∀;)
ミズイボが自然に治ることもあるので、
放っておいてもよいと言う考えの先生も居ます。
他の子供たちにうつしてしまう可能性もあるので
個人的には、なるべく数が少ない、または小さいうちに治療した方が良いのではないかと考えています。
小ささお子さんには治療方針は決められないので、
しっかり医療者、保護者で話し合って決めてください★
水いぼはうつるの??
水いぼが出来た患者さんいはプールを避けるよう指導しています。
きっと、どこのクリニックでもそう言われると思います。
水いぼウイルスは「接触感染」です。
水いぼのウイルスがプールの水を通して感染するとは考えにくいのですが、
子供たちはプールなどで裸でじゃれ合う機会が多いから注意しています。
水いぼ、イボに感染しないようにするためには?
水いぼやイボを完全に予防するのは不可能です。
ウイルスは目に見えるものではありませんので防ぎようがありませんし、
傷口も小さいのは気づきませんね( ;∀;)
例えば髭剃りあとや、指のささくれ、水虫や靴擦れなどでおこる皮むけ
など、本当に日常に起こりうる小さな皮膚のトラブルから
容易にウイルスが侵入してしまうのです……。
色々な感染症の予防ワクチンがあるのに
イボ、水いぼのワクチンがないのが残念ですよね。
現在は、
子宮頸癌や性感染症予防でHPV16と18型(子宮頸癌の主な原因)、
HPV6と11型(尖圭コンジローマの主な原因)
この4つの型に対する予防ワクチンがあるのみなのです。
イボや水いぼで命に係わることはないとは言えども
実際に患者さんからイボひとつあるだけで苦痛ですよね。
意外と他人からしたら「こんなものほっといていいでしょ~」
ってものが、本人からしたら「重大な悩み」
であることが多いのです。
私もたくさんの患者さんを診ますが
今その人が何を苦痛に感じているのか話を聞きながら診察し、
一番困っていることを最優先に取り除こうと心がけています★
余談になりましたが、
イボ、水いぼ共に感染から避けることはできませんけれど
少し知識を深めるだけで予防を心がけることは出来ると思います!!
もしまわりに水いぼなどと知っていて
知らぬ顔でプールなどに入っている人が居たら
是非教えてあげてほしいです(^o^)/
または水いぼ、イボの見分け方も参照して
お風呂の際などにお子さんの身体をよく見てあげてください。
気になるできものを見つけたら早めに皮膚科へ受診するようにしましょう!!
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