ステロイドの塗り薬が処方されたことがある方は
多いと思います。
その中で比較的よく処方される「リンデロン」
というステロイドについて解説していきます。
リンデロンって一言で言っても、よーく見てみると
「リンデロンV、リンデロンVG・・・」など、
微妙に名前が違っているのです。
多少の違いだと思っていても
実は、名前の最後に付いているアルファベットによって、
含まれている成分やステロイドの強さが違ってくるのです!!
似たものだと思って、自己判断で勝手に使用すると
思わぬ副作用が出現してしまうこともありますので
しっかり自分が使用するリンデロンはどのようなものなのか知識を深めましょう(^_^)
ステロイドの強さ
ステロイドの塗り薬は、
「血管収縮指数」と「臨床の効果」によって評価され、
一般的に作用の強さは、5つのランクに分けられているのです。
●Ⅰ.最も強い(Storongest)
●Ⅱ.非常に強い(Very Strong)
●Ⅲ.強い(Strong)
●Ⅳ.普通(Medium)
●Ⅴ.弱い(Weak)
ステロイドの塗り薬はこの5つのランクがあることで
皮膚の状態に合った強さのものを選択できるのです★
ステロイドについての詳細はこちらの記事を参照してください⇩
リンデロンの名前と種類・効果
リンデロンの塗り薬には、主に4種類があります。
[リンデロンDP、リンデロンV、リンデロンVG、リンデロンA]
似ていますが、名前の最後のアルファベットに違いがあります!
1リンデロンDP
リンデロンDPの成分は
「ベタメタゾンジプロピオン酸エステル」とよばれる
要するに合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)になります。
先ほど解説しました
強さランクは、「Ⅱ.非常に強い(Very Strong)」になります。
用途や好みに合わせて選択することができます。
一般的に皮膚科では
湿疹・皮膚炎などの治療に用いられます。
強いレベルのステロイドなので皮膚が薄い部分や顔には使用せず、
手足や体幹など皮膚の厚い部分に使用するように処方します!!
2リンデロンV
こちらの成分は「ベタメタゾン吉草酸エステル」とよばれる
合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)です。
強さランクは「Ⅲ.強い(Strong)」になります。
リンデロンDPより弱いステロイドになりますね!
こちらも種類があり、軟膏・クリーム・ローションのタイプがあるので
用途や好みに合わせて選択できます。
同じく一般的に、
湿疹・皮膚炎などの治療に用いられますがリンデロンDPより弱い分、
より幅広く、手足や体幹などで皮膚が薄い部分にも使用できるのがメリットです(^^)
使い安く、皮膚科ではよく処方されるリンデロンの種類だと思います。
3リンデロンVG
リンデロンVと同様、皮膚科ではよく処方されるリンデロンVGですが、
成分も同じ「ベタメタゾン吉草酸エステル」とよばれる
合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)です。
ですが、リンデロンVGの場合、ステロイドにプラスして
「ゲンタマイシン硫酸塩」とよばれる抗生物質が配合されてります!!
作用の強さランクは、「Ⅲ.強い(Strong)」に該当します。
軟膏・クリーム・ローションのタイプがあるので
こちらも用途に合わせて選択すると良いでしょう。
「ステロイド+抗生物質」の塗り薬なので
細菌の感染の可能性がある湿疹・皮膚炎などの治療に使用します。
化膿している炎症などで効果を発揮することが多く、
ステロイドによる抗炎症作用と抗生物質による化膿止めの効果が期待できる優秀な塗り薬です。
4リンデロンA
成分は、「ベタメタゾン酸エステルナトリウム」とよばれる
眼・耳科用の合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)と
「フラジオマイシン硫酸塩」とよばれる抗生物質になります。
作用の強さはランク分けされていませんが、眼などに使用できるということから
「Ⅴ.弱い(Weak)」に該当するくらいでしょう。
眼や耳、鼻などで、細菌感染の可能性がある炎症性の疾患に使用することが多いです。
リンデロンの副作用
薬はどれも間違った使用方法をすれば副作用が出現する場合があります。
ですが、医師の指示通りに使用していれば最小限に抑えられます。
ステロイドは一般的に強くて怖い薬だと
思われがちですが、そんなことはありません。
主な副作用としては、
皮膚が赤くなる
皮膚が薄くなり、血管が透けて見えて目立ってしまう
免疫力が低下し、皮膚が細菌やカビなどの感染症にかかりやすくなる
ニキビができやすくなる
多毛になる
上記のことが挙げられますが、
短期間の使用ではすぐに副作用は出現しません。
ですから治療する使用期間を厳守することがとても重要です!!
ちなみに、長期にわたってステロイドを使用していた方が、いきなり中止するとリバンドして
急激に症状が悪化する場合があるので、医師の指示のもと
徐々に弱いランクへ下げ、使用量も減らし、完全に薬から断つ
というのが理想です(#^^#)
使用をためらって、症状を悪化させると塗り薬だけで治らなくなります。
早期のうちに正確な診断と治療開始するのが大事なんです。
より悪化させないようにしましょう!!