美肌診療所

【皮膚科医が解説】口唇炎の症状・原因・治療法について

先生
乾燥する時期になってきましたね。
もともと乾燥肌でない人もくちびる(口唇)の乾燥から自然とリップクリームを買う方が増えると思います。

この時期は季節の変わり目でもあり、乾燥の皮膚症状で病院に来院される方が増えます。

口唇炎のあれこれ


ただの乾燥でしたらリップクリームやワセリンなどで対応すれば
ある程度は防げますよね。

ですが口唇のがさがさの症状、ひどいと赤く腫れて炎症になってくる人もいらっしゃいます。

これがいわゆる「口唇炎」という病気です。

通常の口唇炎ならある程度治療すればすぐに治りますが、
中には治らない病気もあるので、口唇の炎症が長く続く場合は皮膚科をお勧めします。

まずなぜ唇って部はこんなにも敏感なのでしょうか。
みんなが俗に言う「くちびる」は正式名称は赤色唇縁といいます。
皮膚と粘膜との移行部であり、赤い唇は人類の一つの特徴とも言われています。

皮膚粘膜移行部なので口唇は手足などの皮膚と違って、
角層が薄いので皮膚のバリア機能が弱いのです。

また皮脂膜がないので保湿力に乏しいといった特徴があります。

ですから、なおさら乾燥しやすく、
特に暖かい飲み物を飲むこの時期は口唇が荒れます。

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口唇炎の原因・治療

一般的な口唇炎はくちびるの皮がめくれることによって痛み、かゆみなどが生じます。

人によっては皮がめくれるため、整容的に自分で剥がしてしまい、
出血、赤く腫れてしまう人もいます。

乾燥以外の原因として化学的刺激、物理的刺激も挙げられます。

化学的刺激としては口紅、リップクリーム、果物、唾液、
まれに歯磨き粉、歯科金属などが挙げられます。

物理的刺激としては喫煙、香辛料の強い食べ物などがあげられます。

自覚症状を伴わない口唇の症状であれば市販で売っているようなプロペトで問題ありませんが、
痒みなど炎症を伴っているいる場合は弱いステロイド(mild class)の使用をお勧めします。

市販だとテレスHi軟膏Sなどがありますが、
成分にオイラックスが入っているので稀にかぶれることがあるので
もし使用してみて合わないようでしたら早めに使用を中止し、
可能であれば皮膚科受診をしましょう。

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ステロイドを塗ると一過性に口唇表皮細胞のターンオーバーが促され
角質が厚くなり、一見悪化しているように見えます。

ですが下から正常な細胞がでてきている証拠なので、
剥かないように、さらに上からプロペト(ワセリン)などを使用して様子をみましょう。

ワセリンには「蓋をする役割」があります。
詳細を書いた記事があるので参照してみてください。

もともとアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬などがなければ
通常であれば2週間もかからず治るはずです。

あとは刺激になるものを避けましょう!!

子供で舌なめずりの癖がある場合もやめないと、
何度も繰り返してしまいます。

先生
上記以外で治らない口唇周囲の赤みは
口唇ヘルペス、カンジダ症、ビタミンB2欠乏症、亜鉛欠乏症、肉芽腫性口唇炎、開口部形質細胞症、など
様々な病気ありますので、治りづらい場合は皮膚科を受診するとよいでしょう。

早期に治療して健康な唇にしましょう★