白斑(はくはん)ってどのような病気かしっていますか??
その名の通り白い斑がある病気です。
皮膚科でも比較的多くの患者さんが相談にいらっしゃいます。
ちなみに、少し前にあったことですが、記憶にある方もいらっしゃると思います。
2013年には、ロドデノールという成分が配合された化粧品を使用した方に、
白斑が生じたという事件?がありました。
薬剤と言う原因がはっきりとしているため、通常の白斑との鑑別が必要です!
白斑には先天的に異常があって起こりうる先天性白皮症と
後々発症する尋常性白斑がありますが、
今回はそんな尋常性白斑についてお伝えしていきたいと思います。
白斑って??
尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)とは、
皮膚の基底層(表皮の最も下層部にある層のこと)にある
メラノサイト(色素細胞)が何らかの原因で減少・消失してしまう後天性の病気です。
このメラノサイトは紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素を出すのですが
そのメラニンの減少、消失により皮膚の色が白く抜けてしまう病気なのです。
以前まではしっかりとした治療方針がありませんでしたが、
2012年に「尋常性白斑診療ガイドライン」ができたことにより、
有効性の認められている標準治療が全国的に受けられるようになりました!!
ですが、科学的根拠が証明されていない治療法を掲げている医療施設も存在するため、注意が必要です。
白斑は命に関わるものではありませんが、見た目が目立つこともあり、
精神的負担が大きい疾患だと思っています。
白斑の種類
白斑が分布する場所によって、3種類に分類されています。
①非分節型・・・・体の神経支配領域に関係なく全身に症状が出現します。
②分節型・・・・・・神経支配領域に沿って、体の片側だけに白斑ができます。
③分類不能型・・・①、②どちらにも当てはまらないものです。
原因は??
非分節型
自身の組織に抗体が発生し破壊してしまう自己免疫性のものです。
私たちの肌はメラニン色素という色素によって、紫外線から肌を守っています。
メラニン色素と言うものはメラノサイトという色素細胞からつくられています。
しかし、自分のメラノサイトに対して抗体がつくられ壊されてしまうことにより、
メラニン色素を生成することができなくなり、肌の色が白く抜けてしまいます。
また、精神的ストレスや肌に触れる化学物質よって、
色素細胞が異常になり、白斑が全身に広がっていくのです。
分節型
メラノサイトは何らかの神経によって支配されているといわれています。
そのため、神経ストレスが発生することでメラニン色素がつくれなくなってしまい、
白斑が生じると考えられます。
白斑の治療法
第一選択として16歳以上ならばステロイド外用薬を使用します。
また、アトピーの治療として使われるプロトピック軟膏もあります。
もしステロイドなどの軟膏療法ではあまり改善がみられなかった場合、
二番目に選択す治療法として紫外線療法に移行します。
これは、病変部位に紫外線を照射するという治療です。
白斑の治療としては、
PUVA、ブロードバンドUVB、ナローバンドUVBといった紫外線を用いて治療することで
高い効果が認められています。
紫外線療法を実施してもあまり効果がみられなかった場合は、
第三の手段として皮膚移植といった外科的治療や、
メラニン色素が残っている正常な部分を脱色する方法などがあります。
これらはどれも保険適用ですが、
保険外の治療法もあります。⬇️
①活性型ビタミンD3外用薬というものがあります。
この外用薬単独での使用はあまり効果が期待できないため、紫外線療法と併用して使用されます。
②白斑専用の化粧品があるのでそれを使用するカモフラージュ治療法があります。
これは白斑の根本的な治療にはなりませんが、、
最後に、、
白斑に気づいたら、放っておかないでまずは皮膚科医に相談しにきてほしいです。
痛くも痒くもないですが、早めのうちから治療開始しましょう!!