意外と「疾患名」って大まかにまとめられて言われてしまうことも多いですが、
実は全く違ったものだったりします。
前回は「イボと水いぼ」の違いについて解説しました。
どちらも名前は同じだし一緒でしょ、って感じですよね(;^ω^)
全く別物なのでよかったら読んでみてください★
イボに関連付けて皮膚科領域で似ている
「タコとウオノメの違い」についても解説していきます。
老若男女問わず出来てしまうことが多いと思います。
ウオノメと思って皮膚科を受診したら、タコやイボと言われた、とか
タコだと思って受診したらウオノメだった、とか……
よくある話です。
どれもそれぞれ違いがしっかりあるのですよ★
ウオノメって?
ウオノメは、通常大人の足の裏や趾(ゆび)などにできるます。
だいたい直径5~7mm程で触るととても硬いですね。
そして歩いたり押したりすると結構痛いのが特徴です!!
ウオノメのの患者さんは痛みで気付く方が多いと思います。
この硬い皮膚病変の中心に魚の眼に似た芯が見えるので
一般的に「ウオノメ」と呼ばれいます。
ですが、専門用語では「鶏眼」(けいがん)と言います。
魚の眼に似ていると言われながら
鶏の眼って書くなんてなんだか不思議ですね~。
皮膚の一番外側には硬い層があり、様々な外からの刺激から身体を守っています。
人間の皮膚の中で一番薄い皮膚は上まぶた(約0.60mm)なのに対し
一番厚い皮膚は頭頂部(約2.35mm)です。
皮膚平均の厚さは約2.0mmなのですが、足の裏は約1.55mmです。
まぶたと比較すると分かりやすいですが、足の裏は厚い皮膚でできています。
足の底の皮膚が厚いのは、歩いたり体重を支えたりと、
刺激の多いところだから厚くできているのです。
踵の皮膚なんてあからさまに硬くて分かりやすいと思います。
ウオノメのできる原理として
何らかの理由で、一定の部位に繰り返し圧迫刺激が加わると、
角質が厚く芯のようになってしまします。
真皮に向かってとがった芯が食い込んでいきます。
こうしてできたのが魚の眼に見える「ウオノメ」です。
歩いたりなどの外部刺激によって、食い込んだ角質の芯が神経を圧迫して痛みを生じるのです。
ちなみに足の裏にできるイボ(疣贅 ゆうぜい)も、
皮膚の中にめり込んでいることが多いので、小さいものだと
ウオノメと区別がつきにくい場合があります。
これにより患者さんはタコをウオノメをよく間違えて来院されるのですね。
特に子供の足の裏にはミルメシアと呼ばれる、
ウオノメそっくりの痛いイボができることがあります。
ですが、子どもは体重が軽いので、余程の激しいスポーツをしない限りは
ウオノメは出来にくいと考えてOKです。
子供の場合はまずは「イボ」を疑うようにしましょう。
ですが、とちらにせよなかなか見分けにくい病変のこともあるので
痛みが増悪する前に皮膚科へ行くようにしてくださいね(^o^)
ウオノメとタコの違い
タコは専門用語では胼胝(べんち)と言います。
タコもウオノメのように、慢性的に刺激を受けた皮膚の一部が厚くなる病気ですが、
ウオノメと違って刺激を受けた辺り全体の皮膚が少し黄色味を帯びています。
さらに厚く硬くなって盛り上がっているのが分かります。
ウオノメはほとんどが足の裏にできるのに対し、
タコは足の裏以外にも身体のあちこちにできます。
特に自分の癖が原因になってタコができることが多いですね。
一例を挙げますと、
ペンダコや座りダコ、子供の指しゃぶりの吸いダコもそのひとつです。
ウオノメと違って痛みはありません。
角質が厚くなっているために逆に痛みを感じないことが多いです。
ウオノメは芯が皮膚にめり込んでいくのに対し、
タコは皮膚が盛り上がっていきます。
見た目は似ていますが、
「中に入り込むか、外に盛り上がるか」
の大きな違いってことです!!