って知っていまか??
とっても長い名前ですね。
今日は先天性魚鱗癬様紅皮症のあれこれについて皮膚科医の私が解説していきます!!
先天性魚鱗癬様紅皮症(せんてんせいぎょりんせんようこうひしょう)って??
全身の皮膚が赤くなってしまい、
魚のうろこ状やさめの肌のようになる生まれつき(遺伝性)の病気です。
うろこのようになった皮膚を鱗屑(りんせつ)と呼びます。
この病気にはいくつもの異なる症状があります。
②水ぶくれがみられない⇨非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症(先天性魚鱗癬様紅皮症)、
③赤みはなく、大きな鱗屑⇨葉状(ようじょう)魚鱗癬、
④非常に厚く硬い鱗屑で、最も重症⇨道化師様魚鱗癬、
⑤皮膚以外にも色々な症状があらわれる⇨魚鱗癬症候群
上記のように分けられます!!
まれな病気なので周りになかなか理解されずらいのが問題点です。
遺伝するの??
先天性魚鱗癬様紅皮症は常染色体の中にある
特定の遺伝子の異常によって起こることが分かっています。
ほとんどの水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症は、
常染色体のどこか1対の遺伝子のうち、
どちらか片方にだけ異常があれば発病してしまいます。
これを「常染色体優性遺伝」といいます。
両親ともに病気がないのに病気が発症した場合は
子供は突然変異を起こしたことになります。
両親の一方がこの病気の場合、半分の確率で子供に遺伝します。
男女共に同じくらいの比率で発症します。
その他の先天性魚鱗癬様紅皮症はどこか1対の遺伝子のうち、
両方に異常があれば発病します。
これを「常染色体劣性遺伝」といいます。
両親は遺伝子の異常を1対のうちそれぞれ1つだけ持っていても
病気を発症しないというケースがあります。
この場合は「保因者」という呼び方をします。
この場合は1/4の確率で子供に病気がでてしまうようです。
また、子供のうち半分は保因者になります。
親がこの病気の場合は特に注意が必要なのですね。
もし病気が疑われた場合は皮膚の状態を顕微鏡で詳しく観察するために、
少しだけ皮膚を切り取って調べることがあります。
また、血液などから遺伝子を取り出して調べることもあります。
治療法は??
特効薬のようなものは残念ながらないのです。
ですから対処療法として症状を軽くする治療を行います。
外用薬としては
サリチル酸ワセリンや尿素剤などの角質をとかす薬や
保湿剤を使ったりします。
また活性型ビタミンD3軟膏を使ったりもします。
内服薬としてはビタミンA誘導体(レチノイド)を使ったりすることがありますが、
小児における成長障害やくちびるの荒れなどの副作用に注意が必要な薬ですね。
また、精子や卵子の形成に影響を及ぼすことが知られていますので、
男女ともに内服をやめた後に一定期間の避妊をしないとなりません。
手足などの症状が強くなると
日常生活や歩行に障害、姿勢の異常などが出て、
身長が伸びにくかったり、体重が増えにくかったりします。
その場合は栄養剤などの補給をすることが多いです。
重症例では感染症などの合併症により死亡することがあるので
たかが皮膚病とは思えないですね。
しっかり皮膚科などに通って適切な治療法をしましょう!!