「脱毛症」というのは男性だけではなく、女性にも増えています。
その原因と対策について解説していきます。
女性が脱毛症になる原因は??
円形脱毛症は今でも一般的に「ストレス」が原因と思っている人が多いようです。
しかし、ストレスは根本的な原因ではなく、きっかけにすぎません。
遺伝子、要するに体質に要因があることが、近年の研究でわかってきました。
要因となる遺伝子の1つに、HLA(ヒト白血球型抗原)というのがあります。
HLAには型がいくつかあ流のですが、円形脱毛症になりやすいHLAの型があります。
HLA遺伝子があるから100%円形脱毛症になる訳ではありません。
逆に、この遺伝子を持っていなくても円形脱毛症になってしまう可能性もあります。
このように円形脱毛症については全ての明確なことは分かってはいませんが、
多くの人に「自己免疫反応」という自分自身で自分の体を攻撃する現象が起きているのです。
要するにウイルスなどの悪い物を攻撃して自分を守る免疫が、勘違いして正常な自分自身の身体を攻撃してしまう反応のことです。
このことを「自己免疫疾患」と言います。
円形脱毛症の種類は??
円形脱毛症と言っても、いくつか種類があります。
一般的に円形脱毛症は「10円ハゲ」とよく言われることがありますね。
だしかに10円玉サイズの脱毛もありますが、他にはどのような種類があるのでしょうか。
単発型
頭皮に円形または楕円系の脱毛が1カ所だけ出現します。
頭だけではなく、眉毛やまつげ、体毛などに症状が出ることもあります。
症状にもよりますが、自然に治ることもあります。
多発型
名前通り、円形の脱毛斑が2カ所以上できる症状を多発型と言います。
何箇所できているかにもよりますが、完治するまでには、数年を要します。
頭の脱毛の場合、見つけづらいので、いつの間にか増えていたなんて患者さんも多いです。
全頭型
髪の毛がほぼすべてがなくなってしまうタイプのことです。
全頭型になってしまうと短期間での治療は不可能です。
ウィッグなどを着用して生活する方が多いです。
円形脱毛症の予防は??
簡単に一例を挙げますと、先ほど解説したHALの遺伝子を持っている人が何かしらのウイルスに感染すると
そのウイルスが誘因となり、円形脱毛症が発症する場合があるのです。
絶対的な予防法とは言えませんが、ウイルスや菌の侵入を防ぐためにも
手洗いやうがい、や部屋を清潔に保つことも大切です。
そしてストレスは免疫を低下させてしまい、様々な疾患のきっかけになるので、
ストレスをため込まないことも予防法としては大切なのです。
早めに受診を!
患者さんの中には「脱毛症かな?」と思ってもなかなか受診せずに放置してしまう方もいます。
「脱毛症?」と思ったら、とにかくすぐに皮膚科へ受診しましょう。
それにも理由があって、脱毛が始まってから時間が経過してしまうと、治療の効果が薄れてしまうのです。
脱毛症の治療も内服、外用薬、液体窒素、注射、など様々な方法があります。
医師と相談して生活スタイルや症状にあった治療法を選択するようにしましょう。
ちなみにウィッグはしっかり「医療用」として販売されているものがあります。
高性能にできていておしゃれも今まで通りに楽しめます。
精神的に抱え込まないで、しっかり治療していきましょう!