「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」って難しくて長い名前ですが、
この病気で悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。
なかなか治らず、皮膚科へ長いこと通院される方や
悪化してしまい、日常生活にも悪影響を与える可能性もあります。
そんな病気で悩んでいる方、そのご家族などに読んで
参考ししていただきたいです!!
掌蹠膿疱症とは??
掌蹠膿疱症は膿(うみ)が溜まった膿疱(のうほう)と呼ばれる皮疹が
手のひら、足の裏にたくさん出現する病気です。
良くなったり、悪くなったりを繰り返すことが多いので患者さんを悩ませます。
ときには、足や手のほかに脛(すね)や膝にも皮疹が出ることがあります。
掌蹠膿疱症の皮疹は小さな水ぶくれができ、
その後、膿が溜まった膿疱になっていきます。
その後は一般的な傷と同じように、
かさぶたとなり、それが剥がれ落ちます。
そのうち、これらの皮疹が混じった状態になります。
症状の出始めに、痒くなることが多々あります。
また、掌蹠膿疱症の患者さんの約10~35%に
骨関節炎を合併することが報告されています。
鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)の関節が痛くなることが多いです。
他の関節も痛くなることがあります。
ちなみに足の皮疹は水虫に似ているので、
しっかり診断をつけて治療を行うためにも水虫の検査をすることが多いです。
(足の皮膚を少し取り、顕微鏡で見ると水虫かどうか判断出来ます。)
手足以外にはできない
基本的には手足以外にはできません。
重症になるとすねや膝、
赤いぶつぶつが体にも出ることがありますが稀です。
手足以外にできるものを「掌蹠外皮疹」と呼んでいます。
手足以外の出現は稀であり、
容易に治療することができることが多いです!!
原因は??
扁桃腺炎や虫歯、歯周囲炎などの感染病巣と密接に関連しています。
ですから扁桃摘出や歯科治療により劇的に皮疹がよくなる場合があります。
また喫煙(約8割が喫煙者)や歯科金属のアレルギーの関与も指摘されており、
禁煙や歯科金属除去が効果のある場合もあります。
ですが、これらの原因が見つからないことが多く、
対処療法で症状を抑える場合もあります。
他人には感染しない
手は特にですが、見かけ的にも目立ってしまうので
感染するのではないかと思われがちですが、他の人にはうつりません。
病気に無知な人たちのせいで
患者さん本人が悩んでしまうことが多いです(/ _ ; )
ちなみに膿の中には細菌(ばい菌)や真菌(カビ)などの菌はいません!!
ですから自分の手足から体のほかの部位に感染することはありません。
治療法は??
一番良いのは原因を取り除くことなので、
病巣感染や金属アレルギーなど、病気を悪化させる要因があれば除去します。
ですが、原因が特定できない場合は対症療法を行ないます。
まずは「外用療法」から始めます。
かゆみが強かったり、皮疹がたくさん出る場合は強いステロイド軟膏を使用し、
良くなってきたら徐々に弱いステロイド軟膏や活性型ビタミンD3軟膏に変更します。
それでも効果が現れない場合には
紫外線療法や短期間のビタミンA誘導体の内服を行うこともあります。
自然に治ることが多い?
患者さんのうち2~3割は病巣感染や金属アレルギーが原因だと特定できているので
それを除去すれば治ります。
ですが、7~8割の患者さんは検査をおこなっても原因不明であり、
対症療法を受けることになります。
しかし、朗報です!!
長い間、患者さんの経過をみた研究があるのですが、
ほとんどの症例が自然に治ってしまうことがわかっています。
平均で3〜7年で治ることが多いとされています。
もちろん個人差はありますが、、
対症療法により、症状を軽くして、
病気をうまく付き合いコントロールして行くことが大切です★