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脱毛症
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ラン
先生、私は髪の毛を抜くのが癖で困っています。
イライラしたりすると無意識に髪の毛に手がいっています。
そしていつの間にか一部分だけ毛がなくなっています・・・
やめたくてもやめられなくて困っています。私ってなにか病気なのでしょうか??

先生
ランさん、それはれっきとした病気です。
だたの癖って思わないでください。
しっかり一緒に治療していきましょう!!

ラン
そうなんですね。
恥ずかしくてなかなか病院へ行きにくくて。

先生
確かに恥ずかしくて人には相談できないって方はたくさんいらっしゃいます。
この抜いてしまうのは「抜毛症(ばつもうしょう)」っていう病気です。
一体どのような病気なのか一緒に考えましょう。

抜毛症(トリコチロマニア)とはどんな病気?

抜毛症とは別名「トリコチロマニア」と言います。

トリコ=毛、チロ=引っ張る、マニア=一つのことに熱中してしまう。
という意味でこう呼ばれています。

脱毛症は,自身の毛髪を抜くことを繰り返してしまい、
それによって毛髪がなくなってしまいます。

抜毛症の患者さんは
美容のように意図的に無駄毛を脱毛するとかではなく
自分の毛髪を繰り返し引っ張ったり、引き抜いたりしてしまいます。

全身のあらゆる部位が対象となりますが、
最も多くの患者さんが悩んでいるのは「頭・眉・まぶた」の毛です。

ですが、その部位の毛がなくなったりしてしまうと
他の部位の毛へ移行してまた抜毛が始まります。

ですからエンドレスでどこかしらの毛をむしってしまうのです。

先生
自分で抜いてしまった結果、禿げているように見えるだけで、「真の脱毛症」ではありません。
「抜毛症」と「脱毛症」は似ていますが全く違います。
抜毛症は物理的要因(髪を触ったり、むしったり)で毛がなくなってしまう病気に対し、
脱毛症は何かしらの要因で意図に反して勝手に毛がなくなってしまう病気です。

女性や子供に多い

抜毛症は意外にも子供や女性に多いです。
特に子供だと認められたい、褒められたい
勉強、手伝いなどをもよくするなど、良い子み見られたいと無意識に演じてしまい
無意識にストレスを抱えてしまいます。テストや受験などのストレスでむしってしまう子供も多いです。
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抜毛症の症状は??

脱毛症

一般的には抜毛は慢性的に進行して、症状は一進一退を繰り返します。

脱毛の具合は人それぞれで、
ある一部分だけの毛がなくなる人もいれば、眉毛だけの患者、
または完全に毛がなくならなくても薄くなるだけの人も居ます。

抜毛には人それぞれの様々な決まったルールのような行動をとることがあります。

ある特定の引き抜く毛を見つけて、特定の方法で引き抜こうとすることがよくあります。

よくあるのが毛を抜いた後に、指などに挟んで転がしたり、
歯に挟んで引っ張ったり、毛を噛んだり、毛を飲みこみます。

普通ではなぜ??って思うかもしれませんが、
それが止められないから病気なのです。

患者さんは大抵は脱毛部位を恥ずかしく感じるので、
その部位が目立たないようにかつらなどを使用して脱毛部位を隠そうとします。

抜毛症の患者さんはこの行為を他人に見られたくないと
考えているので、人前ではやりません。

しかし、身近に居る家族などの前では症状が発症してしまいます。

先生
他の人、またはペットの毛を引き抜いたり、
衣服,毛布などの線維を引き抜いたりする患者もいらっしゃいます。ほとんどの患者には、毛をむしる以外に
皮膚をむしったり、爪を噛むなど他の部位に集中してやってしまう行動があります。
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原因は??

小学校高学年から高校生に多く男女比は1:4で女の子に多い傾向があります。

もちろん成人にも発症します。
成人では比較的感情的な人が多いですね。

ストレスの原因としては
自分自身の問題、家族関係、友人を含む学校、会社関係にあります。

逆に、社会で生活していてストレスがないって方が珍しいと思いますが、、
このストレスを上手く発散できないことで
無意識に抜いたり切ったりを繰り返してしまいます。

小さい子では要因も単純なので家族を含めてしっかり
対応してあげれば良いですが、

大人になるにつれて家族の力だけではなかなか難しいですし
その抜毛症自体に悩んでしまうという悪循環が起こります。

本人にしっかり症状と状態を自覚させる事で徐々に回復してくる場合もありますが、
難しいので病院に行って相談すると良いでしょう。

治療はあるの??

内服

SSRIまたはクロミプラミン

認知行動療法

併存するうつ病または不安症群にSSRIまたはクロミプラミン(強力なセロトニン作動性の効果を有する三環系抗うつ薬)が有用となる場合がある。抜毛については,デシプラミン(ノルアドレナリンの再取り込みを阻害する三環系抗うつ薬)よりもクロミプラミンの方が効果的なようである。一方,SSRIの成績は期待外れのものであった。N-アセチルシステイン(グルタミン酸受容体部分作動薬)が効果的であることを示唆するエビデンスもある。低用量のドパミン受容体遮断薬が効果的であるとした限定的なエビデンスもあるが,リスク-ベネフィット比を注意深く評価する必要がある。

抜毛症の具体的な症状に合わせて個別化した認知行動療法が,現時点で第1選択の精神療法である。例えば,主に行動療法である習慣逆転法を用いることができるが,これは症状への気づき訓練(例,セルフモニタリング,行動の誘因の同定),刺激統制(抜毛を開始する可能性を低下させるために状況を変更すること—例,誘因の回避),および競合反応訓練(抜毛の代替に他の行動を用いる)から成る。

このようにしっかり治療法はあります!!
ですが、一番良いのはストレスを減らすことです。

ストレスとなっている要因をとり除けば
「いつの間にか抜毛症も治っていた」なんてこともありますからね。

とにかく病院の先生でも良いですし、家族でも良いです。
誰かに自分の悩みを打ち明けて相談しましょう。





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