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川崎病
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最近、新型コロナウイルスのニュースで「川崎病のような症状での子供の死亡例がある」
と報道されています。

「川崎病」というのは聞いたことがあるかもしれませんが、
実際どんな病気なのか医師の私が解説していきます。

どんな症状が出るのか参考にして早期発見に繋げていただけたらと思います。

川崎病はこんな病気

川崎病はその名の通り、小児科医の川崎富作によって発見されたので「川崎病」という病名がついています。

日本では年間約1万5千人の子供が発病している決して珍しい病気ではありません。

この病気の原因はよく分かっていませんが全身の血管に炎症が起こります。

主な症状は数日以内に出現しますが、適切に治療を行えば問題なく直りますが、
稀に心臓に後遺症を残す場合もああります。

男児の方が女児より高確率で発症します。
時にきょうだいなどで続けて発症する場合もありますが、基本的には感染病とは考えられていませんので
隔離は必要ない病気です。

先生
ほとんどは急な発熱ではじまることが多く、
6つの主な症状のうち5つ以上、または4つに加えて冠動脈病変があった場合に川崎病と診断されます。
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どんな症状??

1、発熱
2、両目(白目)の充血
3、舌や唇が赤くなる
4、BCGのあとが赤く腫れる
5、手足が赤く腫れる
6、首のリンパ節が腫れる

主にこの6つの症状が出現します。

症状の経過としては、

急性期
➡️発病から約10日目
この時期に多くの症状が出現します。
この時期に全身の炎症を抑える治療をすることが大切です。

回復期
➡️発病約10日目~1ヵ月後
熱や他の症状も落ち着いてきます。

遠隔期
➡️その後(1ヵ月~)
主症状が落ち着いてきた後。
この時期の経過は急性期の合併症の程度で変わってきます。

合併症

先ほども記述しましたが、川崎病は全身の血管に炎症を起こす病気です。

発症してしまうと、冠動脈という心臓の血管の一部が瘤のように膨らむ冠動脈瘤ができることがあります。
この冠動脈瘤は大きくなればなるほど重症です。

他にも様々な臓器にも合併症がみられますが、ほとんどがしっかり治療すれば問題ないものです。

ですが、稀に「心筋炎、心不全、不整脈、ショック、凝固障害、肝障害、腎障害、脳症など」
の重症合併症が起こることがあります。

感染が分かってからはしっかり医師の指示に従い、経過を追っていきましょう。

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治療法は??

川崎病の治療のポイントとしては「急性期」に治療の介入です。

急性期の炎症が一番強い時期に症状を抑え込むことが大切なのです。

そのためにも川崎病の症状を知っておく必要があります。

子供は熱があっても元気であることが多いですし、
舌が赤くてもリンパが腫れていても自分では気づきません。

その為、身近に居る親などが早期に発見してあげるべきなのです。

とにかく冠動脈瘤ができないようにすることが重要です。

基本的には「アスピリン療法」と「免疫グロブリン療法」が行われます。
重症例には、免疫グロブリン療法と併用してステロイド薬が使用されます。

アスピリン療法
内服の治療で、比較的症状の軽い患者さんに行います。

アスピリンという薬は血管の炎症を抑える効果と血液を固まりにくくすることができます。

それによって血栓を予防する効果があるのです。

免疫グロブリン療法
こちらは点滴の治療法です。

免疫グロブリン製剤という薬を点滴し、全身の炎症を抑えます。

炎症を抑えることで冠動脈瘤ができるのを防ぎます。

現時点ではこの治療法が一番効果があるとされています。
日本では約90%以上の患者さんに免疫グロブリン療法が行われています。

点滴をしても効果が得られない場合があります。
その場合にはステロイド、抗TNF-α薬を使用したり、
血漿交換療法と言って、透析のような治療法を行う場合もあります。

どの治療法が良いのかは主治医と相談しながらやっていく必要があります。

コロナウイルスとの関係は??

新型コロナウイルスは世界で初めて発見されたウイルスなので世界中の誰もが
正しいことを知りません。

データを取って研究して・・・
多くの専門家が新型コロナウイルスとは何者なのか、戦っています。

実は川崎病が注目を集める前にも、新型コロナに感染すると
「手足などにしもやけのような症状が出る」という報道がありました。

これはウイルスが小さな血管に炎症を与えて、しもやけのように手足の先が紫色に変色するということです。

こちらの記事も参照ください↓

このことより、川崎病も、新型コロナウイルスも血管に炎症を与えるという共通点がありますが、
まだ詳しいことは解明されていません。

川崎病のような症状がある子供全員が、新型コロナウイルスの検査で陽性の反応を示したわけではないとされています。

新型コロナウイルスに感染した子供たちのほとんどは軽症なので、
もちろん合併症を引き起こしている子供は少ないです。

ですが、こぐ一部の子供たちにみられる川崎病の症状が出現し重症になってしまい、
治療が必要である子供が居るというのは頭に入れておくべきだと思います。

早期発見早期治療が大切ですが、現時点で異常なほど心配する必要はないと思います。

新型コロナウイルス関連としてこちらの記事も参照ください↓

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