初めまして、都内で医師をしております。
首都圏では緊急事態宣言もあり、少しずつ新型コロナウイルス感染者は減少傾向でありますが、
油断はできない状況ですね。
早く普段の生活に戻れる様、みんなで協力していきましょう。
さて、今回は新型コロナウイルスワクチンについて書いていきます。
医療従事者から接種開始
ワクチンの供給の問題もあり、日本では優先的に医療従事者にワクチン接種が開始されているのをご存知でしょうか。
その後、齢者などに接種する様ですね。
2021年2月17日、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。
政府は2月14日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したmRNAワクチン「コミナティ」を特例承認しました。
そもそもワクチンなどの新しい薬剤を作って実際に人体に使用できる様になるまでには
長い年月と費用がかかります。
安全、かつ効果があると認められた物だけが国に承認され、やっと私たちが使用できるのです。
ですが、新型コロナウイルスワクチンは1年たらずで人体に使用できる様になりました。
有効な治療薬が未だないので、ワクチン接種して予防するしかないのです。
世界が慌てて作ったワクチンだから自分たちに使用するのは不安だ
と多くの人が思っていると思います。
ですから接種したくない、と言う方も残念ながらかなり多い様です。
新型コロナウイルスワクチンの接種は16歳以上の人が対象で、3週間間隔で2回接種する必要があります。
ちなみに接種方法は筋肉注射で行われます。
筋肉注射は「痛い」と言うイメージを持っている人も多いですが、
実際、一般的な予防接種と大差ないのでご安心を。
安易ではないワクチン管理
薬剤には様々な保管方法があります。
一般的に私たちが内服する様な薬はほとんど常温で良いですが、
冷蔵保管だったりするものも多くあります。
新型コロナウイルスワクチンの保管に必要なのがフリーザーです。
(例:ファイザーワクチンはマイナス75度のフリーザーが必要)
一般的な冷蔵庫では保管できず、ワクチンを運び込む施設に必ずフリーザーが必要になってきます。
これも大変ですよね。。
ファイザーのワクチンはドライアイス入りの保冷ボックスで保管することもできますが、
せいぜい10日くらいが限界と言われています。
解凍後は5日で使い切らないといけません。
限られたワクチンを無駄にしないためにも接種会場では綿密な計画を立てないといけないのです。
ワクチンの効果は??
みなさん特に気になるところだと思います。
ファイザーのワクチンの臨床試験(治験)の結果を見ると95%という極めて高い有効性です。
ただ治験で検証されたのは発症を予防する効果だけなので、
他人への感染を防止する効果については未だ分かっていません。
日本は今ようやくワクチン接種が始まってきたところですが、
海外ではもっと早くに進んでいます。
特に世界でも予防接種が進んでいるとしている国、「イスラエル」では実際の接種で92%の効果があったとの報告があります。
90%超えるなんて優秀な結果だと思います。
ただし有効性や安全性をしっかり評価するには、どんな年齢の人に接種し、どんな比べ方をしているのか
などが重要になってきます。
もっとワクチン接種が進み、専門家の論文などが発表されるまでもう少しかかりそうですね。
この様に誰も正解の分からないワクチンで不安に思うかもしれませんが、
世界で接種した人の中で副反応が強く出た、
何か重篤な症状が出たなどの報告は挙がっていません。
現時点では効果も期待できますし、是非全国民に接種できたら良いのではないでしょうか。