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診療科
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こんにちは♩皮膚科医をしております。
今日はアトピー性皮膚炎で悩んでいる方に朗報です!!

実は2020年1月23日、
「アトピー性皮膚炎」の治療薬コレクチム軟膏0.5%(デルゴシチニブ)が承認されました!

どんな薬なの??
製品名 コレクチム軟膏0.5%
一般名 デルゴシチニブ
製品名の由来 免疫(IMMU)をただす(CORRECT)
製薬会社 製造販売:日本たばこ産業(株)
販売:鳥居薬品(株)
効果・効能 アトピー性皮膚炎
使用方法 通常、成人には、1日2回、適量を患部に塗布する。
なお、1回あたりの塗布量は5gまでとする。

コレクチム軟膏はJAK阻害薬(ジャックそがいやく)と呼ばれます。

関節リウマチでは飲み薬でJAK阻害薬がありますが、塗り薬としては初なのです。

ちなみに新しい有効成分が配合されているアトピー性皮膚炎用の塗り薬は、
1999年に発売されたプロトピック軟膏(一般名:タクロリムス)以来なのです!

ちなみにプロトピック軟膏についてはこちらを参考ください。

かれこれ20年も新しい薬が発売されていなかったので
このコレクチム軟膏にさらに期待が高まりますね!!

そもそもアトピー性皮膚炎の治療は??

アトピー性皮膚炎とはそもそも皮膚のバリア機能が低下(弱い)している人に多く発症する皮膚炎で、
湿疹に伴い、乾燥や強い痒みを伴います。

重症になると日常生活もままならなくなってしまいます。

そんなアトピー性皮膚炎、基本的に治療としては薬物療法です。

もちろんスキンケアなども大切ですが、
ステロイド外用薬を使用して治療することが多いです。

それにプラスして痒みを抑えるために抗アレルギー薬などを内服することが多いです。

それでも改善せず、辛い患者さんは
ステロイド内服、免疫抑制剤、比較的新しいデュピクセントという治療が洗濯されます。

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そもそもアトピー性皮膚炎の原因は??

実はアトピー性皮膚炎の明確な原因は分かっていません。

ですが、家族歴や外的要因、ストレス・食生活などの環境因子が大きく関わっていると考えられています。

難しい話になりますが、
上記した原因などによって免疫機能に関わるマクロファージやTh2細胞から
TNFα、IL-4、IL-6、IL-13、IL-22などの化学伝達物質などが出され、
これが作用することで痒みを誘発すると考えられています。

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コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)はどんな作用??

先述したTNFαやIL-4、IL-6、IL-13、IL-22などが炎症を引き起こす際は、
それぞれの異なった受容体にくっついて作用します。

このそれぞれの受容体にはヤヌスキナーゼ(JAKジャック)と呼ばれるタンパク質が付いていて、
JAKを仲介して命令が送られます。

(JAKにはJAK1・JAK2・JAK3という種類があります。)

命令を送られた細胞は、炎症反応が引き起こされ、アトピー性皮膚炎を発症させているのです。

今回紹介している「コレクチム軟膏」は患部に塗ることで
細胞内のJAK1~3を選択的に阻害してくれます!!

ですからアトピーを進行させるのを抑制してくれる優秀な塗り薬なのです。

塗り薬ということもあり、全身への副作用が軽減されていたり、
ステロイドの副作用が心配で使用をためらっている人にはおすすめの薬ですね。

使用方法は??

成人には、1日2回、適量を患部に塗布するだけです。

難しいことはないので気軽に使用できますね。

先生
アトピー性皮膚炎に対する初のJAK阻害薬なので、
実際のところステロイドなどの従来の薬が良いのか、JAK阻害薬が良いのか今後の検討課題ですかね。

ですが、確実に効果はある薬だと思いますので、新しい治療の選択肢になると思います!

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